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同人誌作った(出稿編)

2024-12-24T18:00:00+09:00
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高専祭1で販売するために友人と同人誌「ンゴシリーズ vol.1」を制作した。

表紙
表紙

印刷所への入稿作業、販売時の雑務、国立国会図書館への納本の部分は自分が行った。自分は来年同人誌が作れる状態かわからないので、活動を続けるためにもメモを残しておく。

クリスマスイブに何やってるんだろう

今回はデータを印刷会社に出向するまでを扱う。
他にも販売編納本編 もある。

入稿

印刷会社と対応形式

ンゴシリーズはXeLaTeXを用いて制作した。友人が良い感じにテンプレートを作ってくれていたのでコンパイルするだけだったが、準備を始めるのが遅すぎて誤字などの確認の時間が十分に取れなかった。

印刷には株式会社プリントパック を利用した。またこれもギリギリに決めたので多くの会社を比較検討できなかったが、多分めっちゃ安いと思う。

同人誌専門の印刷所だと目次のページ数ミスまで見てくれる所もあるだが、プリントパックはデータチェックはあるが正しく印刷できるかどうかのチェックがメインみたい。

プリントパックの対応形式(一部)
プリントパックの対応形式(一部)

一番の問題だったのは入稿の形式。対応アプリケーションとしてAdobeのIllustratorやInDesignはある。しかもCSじゃない頃(=20年以上前)から対応しているらしい。
あとMicrosoft Officeもあるが、Officeはクソなので使わない。まあLaTeXがあるわけもないので問題だった。

ちなみに、一部LaTeXでも受け付けてくれる印刷所もあるみたい。

Adobe Acrobatを用いてPDF/X-1aの準拠を確認
Adobe Acrobatを用いてPDF/X-1aの準拠を確認

重要なのは正しい位置にトンボがついててPDF-X/1a形式で書き出されていることっぽい。
PDF-X/1a形式に準拠するよう変換するにはAdobe Acrobatかcallas pdfToolboxが使えるがどっちも有料。

なんかTeXでもできるみたいだけどなんか難しそうだし確実じゃない。


Adobe CC (学割利用)
Adobe CC (学割利用)

ギリギリ過ぎて一回でもデータチェックで弾かれると間に合わなかったので、確実に完成させるためにAdobe Creative Cloudを契約した。

出稿用ファイル作成(本文)

InDesignにPlaceMultipagePDFというスクリプトが入っているので、それを利用してLaTeXから出力されたPDFをInDesignに挿入する。

後はプリントパックのPDF作成マニュアル のように行えば問題ない。ポイントは以下の点。

これ以外にも注意点はあるので、前述したPDF作成マニュアルを参照してほしい。


完成した本文ファイル(本物)
完成した本文ファイル(本物)

1ページごとファイルに分けるのが良いらしいので、そのようにして出力した。


Illustratorから直接印刷
Illustratorから直接印刷

WindowsだとInDesignもIllustratorもAcrobatも安定性クソだからMacでやったほうが良いよ。
Windowsでやるとこうなる

表紙

自分はセンスnullなので表紙は友人に頼んだ。でやらかしたのはCMYKにしろと頼まなかった3こと。
Illustratorに入れてCMYKに変えたらなんか色味が違くなった。

←CMYK(最終データ) 読み込む前→

←CMYK(最終データ) 読み込む前→


背幅のトンボの一例
背幅のトンボの一例

Illustratorは周りのトンボは自動で作れるが、背幅を指定したかったので背幅分のガイド線が必要だった。調べた限り自動で作るような機能は無かったので自分で作った。背幅と(表|裏)表紙の境界に1本ずつ、中央に1本ずつ置いている。

まあこれはただ棒を作ってガイドに合わせて配置するだけなので簡単。背幅は印刷会社のサイトで計算することができる。プリントパックならここ

印刷所にデータ入稿

データ入稿時に決めなければいけないのは製本方法、ページ数、表紙色、本文色、用紙の4つ。一つずつ選んだものを紹介する。

1フォルダにページごとの本文ファイル、表紙ファイルを配置する。本文ファイルは1ページずつ連番にする。表紙ファイルは「表1表4」のようなファイル名にしてどこの部分か分かるようにする。

このようにしたフォルダをzip圧縮して入稿した。

nyuukou_complete.png

入稿からデータチェックまで結構緊張した。ここら辺の作業は自分一人で行っていたし、ミスると高専祭に絶対間に合わない。ミスったら全部自分のせいになるので、夜しか眠れなかった。

datacheck.png

データチェックは1日で終わり、入稿の次の日の昼頃結果が届いたが、問題なくデータチェックに通って良かった。

何とは言わないがこの11(10進数)か月色々なことに耐えたおかげかもしれない知らんけど

届く

ンゴシリーズ113部
ンゴシリーズ113部

発送の1日後に届いた。予備で3冊多めに入っていたので全部で113部。
17kgありクソ重かったので2日に分けて高専まで持って行った。

出稿編はここまで

ソースのファイルサイズが8KiBを超えて結構長くなってきたので分割する。このサイト目次がないので長いと探しづらいからというのもある。

続きは販売編納本編 を見てほしい。
販売編では販売時の宣伝、決済端末やレジの整備、地獄の通信環境などについて記す。


  1. 高専の文化祭的なやつ(高専外の人も見るかもしれないので書いておく。) ↩︎

  2. x%はモノクロに変換する閾値の違いなのでプレビューを見ながら良い感じに設定する。 ↩︎

  3. vol.2はCMYKでお願いいたします。 ↩︎

  4. この単位は1000枚重ねたときの重さで、連量と呼ぶらしい。 ↩︎